組織能力”Learning Advantage”により企業の競争優位性をひらくLearning Agent Team


  • Management by Learning

    2014.07.24
    Management by Learning

    高橋 秀紀

    Management by Learning(MBL)

    「経営者は先のことを考えるのが仕事だ」と、経営者なら一度ならず言われたことがあるでしょう。私自身も、社員から同様のことを言われます。先とは、5年後?10年後?

    ビジネスにおいて、仕事の成果は業績になって表れます。今日の業績は、「いつ市場や顧客に働きかけたことの結果なのか?」という視点で捉えることが大事です。なぜならば、市場や顧客への働きかけが業績という結果に表れるまでには、時間の経過(ギャップ)が必要だからです。
    「先のことを考える=未来を予測する」と受けとめると、この時間の経過を正確に計算し、戦略を考えなくてはなりません。明日すら不確かな時代ですから、どんなに優秀な経営者でも正確な未来予測は不可能でしょう。

    私は、経営者の仕事とは「よりよい未来を創ること」だと考えています。そのために、たとえ時間がかかっても大事なことを意思決定することと、それを実行していくリーダー人材の能力開発こそ、経営者がしなくてはならない仕事です。
    よりよい未来を創る意思決定と、未来を創るリーダーの能力開発のためには、経営者である自分とは異なる視点・認識で未来を見られる人、既存の常識の範囲にはない型破りな考え方ができる人といった多くのクリエーティブな人材と共にTeam Learningを促進するしくみが、経営システムの根幹に必要なのです。

    私たちは、このしくみを支える方法論として、“Management by Learning” through Mindful Dialogue(略称:MBL)を提唱し、本質的な戦略課題の発見および実践の場において用いています。これは、創発的な対話を中核とするTeam-Learningを、リアルなマネジメントサイクルの中心軸に据えるというある意味でラジカルな方法論です。

    今の企業が抱える課題は、以前ほど単純ではありません。過去の成功体験を再現したり、規模の効率性を図ったり、既知の枠組みをより効率的に運営するために組織の上層から下層に指示を下すやり方では対応できない。かつての競争相手は、同じ業界・同じビジネスモデルでしたが、今や、まったく異なる業界・異なるビジネスモデルを持つ相手が競争相手として出現してきます。社会で起きているrealityを見る、構造化する、そして洞察する。そこから柔軟に、かつ創造的にスピーディに実践する力が問われます。

    Team-Learningの場において、どの意見が正しいか、多様な意見の尊重、といった議論をするのではありません。異なる視点・認識が個々に意味を持って全体の中に位置づけられている、その構造に気づくための学習です。なぜなら、問題はひとつの事象から生じるのではなく、複数の認識が複雑に絡み合って現実をつくり、その現実が問題を引き起こす構造をつくりあげているからです。Realityに立脚して見て、そこにある異なる認識に気づき、それらを構造化し、全体像を俯瞰する。その構造から、よりよい未来へ進展させていくにはどうすべきかを洞察する。これらの力は、未来創りのリーダーには必須の能力です。私たちは、「戦略アート・ワークショップ」という戦略文脈での構造化と対話のプロセスを通じて、リーダーシップ開発、事業戦略開発といった領域へ学習機会を提供しています。

    いちど、次の問いを経営者である自分自身に、そして経営を担うリーダーたちに問いかけてみてください。あなたとは異なる認識や意見が多々出てくるはずです。そこからぜひ、あなたの会社でもよりよい未来を創るためのTeam Learningをスタートさせてもらえればと思います。

    「会社にとって、最も大事な課題は何ですか?その大事なことに集中して仕事ができていますか?」

    ※アジアエックス コラムに初出
    http://www.asiax.biz/column/globalization_as_learning/261.php

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